「計画停電」の総括

2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災については大々的に報道されています。
同時期に首都圏周辺で行われた「計画停電(輪番停電)」についてはあまり報道される事もないでしょう。
忘備録としてここに残しておきたいと思います。・・・・・・・・・・・・・・・・・


3/14日の朝一番からの計画停電(輪番停電)を3/13日の夜に東京電力と政府は発表した。


3/13日の夜に開かれた東京電力13日の記者会見のやりとりから・・・・・・・・・

■計画停電について(回答者は断りがない限り藤本孝副社長)
【Q】東京都心の区は対象にならないのか。15日以降はどうするのか。
【A】計画停電の対象地域とグループは、毎日の需要を見てきめ細かく決めたい。
15日以降は、前日の夕方までに計画を出したい。
   住宅などは東京都心でも対象になると思う。都心部の国の中枢機関については対象にしないように考えたい。
   中央区、千代田区、港区は対象にしない。
【Q】病院や、自宅で人工呼吸器を使っている人などへの対応は。
【A】できるだけ病気の方の要望に応えたい。
   発電機を載せた電源車や、小さな設置型の発電機を集めており、無償で貸し出したい。
   要望がある方はカスタマーセンターに申し出ていただきたいが、数に限りがある。
【Q】電源車や発電機はいくつあるのか。
【A】関東地区に電源車は約100台、小さな設置型の発電機は400台ある。ただ、これでは足りないと思っているので、
   他の電力会社からの応援や購入、リースで集めるよう指示をしている。
【Q】1軒の家が複数のグループに入ることはあるのか。
【A】それはない。1軒は1グループ。ただ、1グループが1日2回停電することは場合によってあり得る。
【Q】電車への影響はあるのか。
【A】都心の主要な鉄道は、地下鉄、JR、私鉄も含め電源を切り回す(自社で融通できる)施設があれば止まらない。
   ただ、それ以外で(電源)ネットワークがないところは、3時間は止まる。
   JRには電源が足りないところは、少し間引き運転をするようお願いしている。
【Q】信号は消えるのか。
【A】3時間程度は止まる。対応は、警察にお願いするしかない
【A(担当者)】14日の対象地域の警察には個別に連絡している。警察のご理解をいただきながら、
主要交差点は手旗で対応していただくようお願いしている。
【Q】各家庭でのブレーカーの操作は必要か。
【A】ブレーカーの操作はいらない。
【A(担当者)】ただ、計画停電の間にアイロンやドライヤーなどのスイッチを入れたまま出かけると、
電気を復旧したときに、スイッチが入って熱を出す恐れがあるので注意をしていただきたい。
【Q】計画停電はいつまで続くのか。
【A】現在、地震の影響や定期点検で止まっている火力発電所が、いつから運転できるかによる。
運転できれば、停電の対象になる戸数は減ってくる。長期間で申し訳ないが、
今のところ4月中にはなんとかできるのではないか。ただ、7~8月に冷房用の電力需要が出てくると、
再び計画停電を考えざるを得ないと想定している。
                           ・・・・・・・・・・・・・・・以上、記者会見の内容


東京電力が3/14日から始まった計画停電の実施を発表したのは、前日3/13日の夜。
グループ分けの不備が目立ち、実際に停電してみないと自分の区域が何グループなのかさえ分からない人もいた。
その理由として WEDGE REPORT 計画停電 混乱の原因は?から抜粋すると・・・・・・・・・・・・

火力、原子力、水力などの発電所で作られた電気は電圧を高くして送られ、その電圧を変電所で下げる必要があります。
各発電所から500kvで送られた電気は、まず超高圧変電所で275kvに下げられ、次の一次変電所で66kv、
そして次に配電用変電所で6.6kvまで下げられ、配電線を通じて200vや100vの電気が各家庭に供給されています。
電圧を下げれば電流は増えますので、こうしてどんどん電圧を下げながら、枝分かれしてたくさんの箇所に電気が送られていきます。
今回の東京電力が行っている計画停電では、66kvの1次変電所のスイッチを切っていますので、そこから下のレベルへの電力供給がストップすることになります。
鉄道のような大口の電力需要があるところへは、もともと66kvのようなある程度高電圧でも電気を送ることができますが、病院や信号機は、6.6kvより下に位置するので、今回の計画停電ではピンポイントの送電は難しいでしょう。
たとえ計画停電が6.6kvの変電所のスイッチを切って行うとしても、送電を切る仕組みが複雑すぎて、現実的に小口の需要家へのピンポイントの送電は不可能と思われます
変電所から送電しているエリアが、行政の区画と一致していないためです。
市や区などは複雑な形をしていますが、電気は変電所から放射線状に送られますので、それらを一致させることはなかなか困難です。
また、1つの県だけを1グループにまとめるというのは、分かりやすい分け方に思われるかもしれませんが、
一定の地域の送電を切ることになりますので、他の地域の送電線に流れる電気の量に偏りが出てしまい、不安定な状態になってしまいます。
1つのグループに色々な地域を入れることで、各所で送電が切られ、全体的なバランスが取れ、電気の流れが大きく変わらずに済んでいます。                      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・などが理由のようです



こうして3/13日深夜にグループ分けされた「計画停電(輪番停電)」は、
実際に翌3/14日の早朝から始まりました


時間的猶予のない発表で、鉄道各社は運休や運行本数を減らすなど対応に苦慮。
3/14日の計画停電は午前6時20分に開始予定だったが、実施直前の5分前に見送り。
だが、3/14日の首都圏の出勤ラッシュを直撃し、各地で出勤困難者が続出した。
午後5時過ぎに茨城、千葉、山梨、静岡の4県の一部地域で実施した。
被災地の断水が続く茨城県鹿嶋市や千葉県旭市でも実施され非難を浴びた。
3/13日午後にやっと通電したばかりの避難所17カ所も停電し、住民の不安は一気に増幅した。

3/16日には、第2グループの計画停電中に「第3グループ」と説明を受けていた東京都小金井市役所
第2庁舎が停電。コンピューターシステムがダウンするなど、予定外の地域で停電が発生し、混乱した。
3/17日にも被災地として除外するとしていた千葉県浦安市で計画停電を実施。

計画停電が原因で産業界での混乱は無視できずに多少なりとも報道がされたが
3/15日には厚生労働省が"「計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて」で、
「計画停電に伴う休業は賃金補償しなくていい」という通達を出していた。
この件はあまり報道されていなかったと思います。

報道された産業界のみならず、いたるところで計画停電での弊害があった。
約2週間にわたってほとんどの区間で運休した相模線(茅ケ崎―橋本、33・3キロ)はもっとも影響を受けた。
相模線は東京電力が供給する高圧電気を2カ所の変電所に集め、そこから架線にだけ配電する仕組みだった。
一方、信号や踏切の電気は、変電所を通さずに東電から直接供給を受けていた。
そのため、路線のどこかが停電すると電車は動かせても信号や踏切が作動しなくなる可能性があり、
計画停電の開始予定日だった3/14日から運休を余儀なくされた。
(4/28日から電源系統の変更工事が始まった)

計画停電で公演中止・延期が相次ぎ市民の文化活動にも支障が出た。
停電になると舞台装置が作動しなくなることなどから大半の催しが中止や延期になった。
「チケットの払い戻しなどを考えると、早めに実施するかどうか決めないといけないが、
前日まで停電するかどうか分からない状態では開催できないのが現状だ。

他に計画停電での身近な弊害を見てみると…

1、ニュースになった事
 ・ 信号機が消えた交差点で、少なくとも死亡事故が2件、重傷事故が2件
 ・ 搬送先の病院が停電のため検査ができず重体になった
 ・ 君津市で計画停電中、使用していたろうそくが原因で家が全焼するなど県内で2件の火災
 ・ 八千代市で停電解除直後に配線コードのショートが原因の「通電火災」とみられる原因で火災
 ・ 八王子市で画停電中、61歳の男性が、発電機を使用して、一酸化炭素中毒で死亡
 ・ 青梅市で七輪などで暖をとり、一酸化炭素中毒で、重傷者1名、軽症者1名
 ・ 発酵食品(ヨーグルト・納豆など)や医薬品が製造出来ない
 ・ 鎌倉の病院では、計画停電で人口透析用の機械の故障が相次いだ
 ・ 神奈川県で県営水道の一部地域で断水、水の出不良、にごり水の発生
 ・ 水道水をつくる浄水場や下水を処理する終末処理場では自家用発電機を使用
 ・ 茂原市ではエレベーター閉じこめのトラブルが7件、家の中で転倒し負傷するケースが2件

2、市民生活で困った事 
 ・ 市役所・市民会館等公共施設が停電時間は使えず、ほとんどの行事はキャンセルになった
   (後にチケットの払い戻し作業が発生した)
 ・ スーパーの売り場からヨーグルト、納豆を始め冷凍食品・生鮮品が消えた
 ・ 飲食店では刺身などの生もののメニューが出せない
 ・ 歯医者・美容院などは受けていた予約をキャンセル、新たに予約受付も出来ない
 ・ 防犯のため、自治会はパトロールを強化、警察官は署内での寝泊りを余儀なくされた
 ・ 一部のマンションでは水道も止まり、当然、トイレも使用不可
 ・ 学校給食は簡易給食(調理作業を伴なわない、主食(パン、ごはん)と牛乳のみの給食が予定された
 ・ 小学校の先生は休憩時間になるとトイレに水を流す作業が発生した
 ・ 人工透析が実施できなかった
 ・ 手術が予定どおりできなくなった 
 ・ 自宅で人工呼吸器が使えなくなり入院を余儀なくされた
 ・ パーキングから車を出せなくなった
 ・ 観光地の旅館が停電するとわかると旅行はキャンセルせざるを得なかった
 ・ ゴミ処理場がストップした(立川ほか)

3、生活面で困った事
・ 交通機関の運休でバス代など余分な出費が掛かった
・ 私鉄も停電、バスもほとんどない地域なので困った(最寄のJR駅まで徒歩1時間半以上かかる)
・ 携帯電話を持たない一人暮らしのお年寄りは救急車も呼べない
・ エレベータが停止しているのでストレッチャーが使えず、背負わないと救急車にすら乗れない
・ 温調節が出来ない重度の障害者がいる家庭は3月の停電時に低体温にならないようと苦労した
・  スーパーやドラッグストア等お店の開店時間、閉店時間が毎日変わるので、振り回された
・ 勤務先、自宅、学校、外出先の停電時間が異なるのでまったく予定が立てられない
・ 通電時間に家事をしなければ…と思うだけでとてもストレスを感じた
・ 帰宅時、夜道の一人歩きはとても怖かった
・ 赤ちゃんがいるので暗い&寒さの中でオムツ替えやミルク…体調の悪化にヒヤヒヤしてます
・ パートの主婦は 停電のせいでシフトカットで 大幅な収入減、 ダンナも給料減った

4、精神面での影響
・ 心が折れそうで夜の停電は嫌だなあ
・ 心安らげるはずの自宅で落ち着いた生活をできないなんて、苦痛以外の何者でもありません
・ 毎日違う時間、毎日違う生活サイクルに疲れました
・ 停電しない地域のための節電のような気がしてきて、節電がバカらしくなってきたのも事実
・ 一部の人間だけがスケジュールを持ち、停電に振り回される生活はおかしい
・ 只今停電中です。ラジオからの「節電にご協力を」に…これ以上はない位の協力をしてますよ~
・ 自分はとりあえずどこかに逃げます寒い夜中に暗い部屋に3時間も居たら身体も精神的にももちません…
・ 3時間停電すると言っておきながら半分の1時間半、助かったと思う半面東電に振り回されてると思うと腹が立った
・ 一部の停電実施区域に強制的に負担をしいている割に、それに対するフォローや納得いく説明がない
・ 一度大規模停電になってみれば!! 東電・政府どうする??? な~んて思ったりもして
・ なんだか停電地域の人達とは、連帯感があります

・ やはり 停電にならない人達は痛みはわからない、停電中に出掛ける方が悪いんだ…と言われた。
・  「被災地の人達はもっと苦しんでるんだ」「3時間くらい我慢しろ」「仕方ない」もう聞き飽きました
・ 除外地区の人に「本当に停電するんですね。」心ない言葉にストレスもかなりなものです
・ 本当に知らないって怖い 、平気で人を傷つける 、傷つけた事すら気づかない

・ 最も電気消費が多い所が計画停電外っておかしくない?
・ 停電地域で病院とかが困ってるときに、都内のとある駅前は、ネオンが煌々と光っていて非常に遺憾
・ 照明ガンガンつけて、スタジオ内はきっと暖かいテレビで節電節電と言われても納得いきません、腹立たしいです
・ 計画停電されないオフィスの電気は眩しい、そして暑すぎる暖房 、この人達の為に計画停電をしていると思うと…
・ 今夜は寒くなるので電力の需要が高まるため1グループは停電、その1グループの人は天気の犠牲?だよね
・ 計画停電のこの不公平、いらいらの一番の原因にほかなりません
・ 停電地区と非停電地区の不公平を訴えても、停電区域内の不公平と問題をすり返えて報道された
・ マスコミなどで「計画停電」がきちんと報道されず、停電しない地域で「本当にやっているのか?」という状態になった

参考資料

「計画停電」を実施した区域
栃木県・茨城県・埼玉県・群馬県・千葉県・神奈川県・山梨県・静岡県・東京都(足立区・荒川区・他市町村)
「計画停電」が除外された区域
東京都 (板橋区・江戸川区・大田区・葛飾区・北区・江東区・品川区・渋谷区・新宿区・杉並区・墨田区・
      世田谷区・台東区・中央区・千代田区・豊島区・中野区・練馬区・文京区・港区・目黒区)

3/14日~3/28日まで実際に計画停電を実施された回数
  第1グループ 7回 (15日、16日、17日2回、18日、22日、24日 )
  第2グループ 7回 (15日、16日、17日、18日、22日、 25日、28日)
  第3グループ 5回 (15日、16日、17日、18日、22日 )
  第4グループ 6回 (15日、16日、17日、18日、22日、23日 )
  第5グループ 7回 (14日、15日、16日、17日2回、18日、22日 )

計画停電の実施区域       計画停電予定表           計画停電実施状況         
te1.jpg    te2.jpg    te3.jpg

ニュースソースは
相模線、配電改良に着手
公演中止・延期相次ぎ市民の文化活動にも支障
ヨーグルト、納豆品薄のワケ 医薬品やビールにも影響
「被災地」新浦安からの一視点
「計画停電で手術できない」 除外されぬ病院、不安の声
未曾有の国難というなら、副次的な被災まで国が全力でバックアップすべき
事例は色々なブログ、掲示板等に書き込まれた事を拾いました


4/8日に東京電力は今後の計画停電を「原則不実施」とすることと発表したが完全廃止とは言っていません
現に、やむを得ず計画停電を実施する場合の停電対象として計画停電5月予定表が東京電力HPに載っています

4/15日に東京電力からの発表によると計画停電等に伴う電気料金の割引について
30アンペアの一般家庭では32.76円×停電した日数の割引
停電日7日の第2グループが約229.円、
停電日6日の(一日に6時間の停電が有っても)第1、第4、第5グループは約197円
停電日5日の第3グループは約164円…が、5月分から割引されるそうです

大前研一氏による「必要がなかった「計画停電」~消費者心理を萎縮させた人災」との指摘もあります
4月25日に労働運動総合研究所労働総研緊急提案をしたようです

・・・追記・・・
毎日新聞(5月5日)に検証・大震災:混乱「計画停電」の記事が出ました
(毎日新聞、5月5日)

この「計画停電」は
「3月11日に起こった東日本大震災による電力供給不足に対応するため」、
「電力供給不足時の実験説」、
「原発推進のための「必要の無い計画停電」説」、色々な説があるが真偽は不明。

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